キリマンジャロの麓(ふもと)で育つ無農薬・無化学肥料のコーヒー豆

2023年2月にキリマンジャロに登ってきました。
そして、キリマンジャロの麓(ふもと)の農村「ロレ村」にホームステイさせていただきました。

タンザニアの農家さんたちは、昔ながらの農法で、コーヒー豆を生産しています。
「キハンバ」と呼ばれる畑には、コーヒー、バナナ、アボカド、タロイモなどが一緒に植えられています。
コーヒーは直射日光が苦手な植物。バナナやアボカドの木陰で育てているのです。

また、1つの畑に色々な作物を植えることによって、特定の害虫が集中するのを防いでいます。
畑の周りには、害虫が嫌うハーブや花を植えています。
だから、農薬も化学肥料も使いません。

コーヒー豆の作り方

コーヒーの実は赤く熟したら手で摘み取ります。
果肉を取り除いた種の部分がコーヒーになります。

乾燥させた種を臼に入れて、杵でついて、薄皮を剥がします。
それをザルでふるい、薄皮を飛ばします。

次は焙煎です。
お庭のバナナの木の下に、大きな石を3つ置きます。
中央に薪をくべて火を起こします。
石の上に鍋を置いて、手作業で焙煎します。
炭火の直火焙煎です。

焙煎した豆をもう一度臼に入れて、杵でついて砕いて、粉にします。
これら全ての工程を手作業で行っているのです。

大企業のプランテーション

日本のスーパーなどで安く購入できるコーヒー豆は、そのほとんどが大企業のプランテーションで作られています。

大企業が広大な土地を買い占め、大量の機械を投入し、農薬、化学肥料を使って、コーヒー豆を大量生産しています。

農薬や化学肥料をふんだんに使ったコーヒー豆は見た目も良く、焙煎などに機械を使っているので、焙煎のムラもなく見た目が良いです。
そのようにして大量生産されたコーヒー豆が、安価に販売されています。

すると、地元農家さんが昔ながらの製法で、手間ひまかけて手作りしたコーヒー豆は、見た目の良さではどうしても敵いません。

大企業が大量生産した豆ばかりが売れるようになり、農家さんの手作りの豆は、それより安くしなければ売れない現状です。

農家さんから直接購入しています(フェアトレード)

そんな現状を知り、私はこのコーヒー豆を、農家さんが望む金額で購入したいと思いました。

現在は、ホームステイでお世話になったロレ村の農家さんから、直接、豆を購入しています。

農家さんに「いくらもらったら嬉しいですか?」と聞いて、その金額に少し上乗せした金額をお支払いしています。

間に業者は一切通していません。
でも、少量の豆を日本へ配送するには、莫大な送料がかかります。
少しお高いと思われるかもしれませんが、利益は全くありません

広大な森林が失われ続けています

キリマンジャロの麓には「エデンの森」と呼ばれる美しい森林があります。
しかし、この森林が年間30万ヘクタールも失われ続けています。
東京都の面積が約22万ヘクタールですから、それ以上に広い面積の森林が毎年失われ続けているのです。

これは、非常に大きな問題です。
二酸化炭素を吸収して、酸素を生み出してくれる植物がものすごいスピードで失われているのです。
これでは地球温暖化に歯止めがかかりません。

森林が失われると、雨水を蓄える機能が失われ、農村の土も養分が失われていきます。

日本のように温暖で雨が多く、湿度の高い気候なら、木を伐採した後、放っておいても、30〜40年もすれば、元の森に戻るそうです。

しかし、キリマンジャロの麓は寒暖差の激しい半温帯で、空気は乾燥しています。
広範囲に木を伐採してしまうと、木が自然に生えることはないのです。

植林活動を応援しています

タンザニアは貧しい国です。政府には、失われた森林を再生するような余裕はありません。

そこで「森林を蘇らせよう!」と立ち上がったのが、地元農家さんたちです。
決して裕福でない彼らが、お金と時間と労働力を費やして、植林活動を続けています。

地球の裏側に住む私たちにもできることがあります。
私は、コーヒー豆の売上の1割を植林活動のボランティアに寄付してます。
みなさんが、100gのコーヒー豆を買ってくださると、2本の木を植えることができるのです

収穫直後の豆を加工して販売しています

大企業のプランテーションでは、大きな倉庫も所有しています。乾燥させた生豆は長持ちしますから、何年も倉庫で寝かせた豆を商品化することが多いのです。

しかし、地元農家さんには、そのような倉庫はありません。
収穫したらすぐに加工して、日本に送っていただいています。

古い豆は、酸味が出たり、エグみが出たりしますが、私が農家さんから直接購入している豆は、収穫したての豆です。

酸味も苦みもなく、とてもまろやかで香り豊かなコーヒーなのです。

タンザニアの農家さんの愛情がたっぷりこもった、無農薬、無化学肥料、無添加、フェアトレードのコーヒーを、ぜひ一度味わってみてください。

タンザニアの農家さんたちが、これからも農業を継続できるように、そして、エデンの森を蘇らせるサポートができるように、みなさんにコーヒー豆を買っていただき、応援していただけたら有り難いです。
ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

キリマンジャロ・ポレポレ記 好評発売中!

私の著書『キリマンジャロ・ポレポレ記』がAmazonで販売中です。

キリマンジャロ登山の様子と、農村ホームステイの様子を詳しく記載しています。

元々、間質性肺炎と皮膚筋炎という難病を患い、体が痛くて何もできなかった私。
お金も無い、時間も無い、自信も無かった私が、クラファンで170万円集めて、キリマンジャロに登ってきました。

どうやって、難病を克服して、たくさんの人から応援を受け取って、夢を実現できたのか、といったお話も詳しく書いています。

ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。